【2020開催レポート】医療職向け活動編 -慢性疾患とACT-

2020 Le:self開催報告を記して参ります

 2020年もあっという間に終わりが近づいてきております。2020年の始まりと共にスタートしたLe:self。開業してすぐコロナ禍という大きな環境変化。そんな中でも本当にたくさんの方に出会い、私自身もたくさんの学びがあったな…と改めて感謝の思いでいっぱいです。

 その感謝の気持ちも含め、今年の活動について分野ごとに振り返りながら少しずつご報告していきたいと思います。

医療職の皆様に向けた活動 2020

 まずは、医療職の皆様に向けた活動についてのご報告をして参りたいと思います。医療職の皆様に向けては、2020年、私が臨床を始めて長く携わってきた慢性疾患(特に腎疾患)の患者さまの心に対する理解や介入についての発信をさせていただきました。Le:selfは今年生まれたばかり。そんな中でお声かけいただき、感謝の思いでいっぱいです。1つ1つ振り返って参りたいと思います!

メディカ出版さんWeb講義
“慢性腎臓病・透析患者のこころのケア”

 こちらは、伊丹せいふう病院の大武陽一先生・堺市立総合医療センター看護師の田中先生にご一緒させていただき、撮影を致しました。

 精神科医でもあり、透析患者でもある春木繁一先生が透析患者としての人生を綴ったエッセイ、「透析とともに生きる」というご著書の文章を抜粋し、透析患者として生きるということはどういうことなのかということを、医師・看護師・心理士の立場からお話するという内容。
 私は心理士として、ご著書の中で描かれている患者さんの状態が、どのような心理的概念でとらえられるのかということをお話致しました。

 こちらのWeb講義、来年1月より、再販売されることが決定されたそうです!
ダイジェストはこちら!

ご興味ある方はぜひ、メディカ出版さんのHPよりお申し込みいただければと思います。

マインドフルネス心理臨床センターさん心理臨床家のためのオンライン講座
“慢性疾患とACT & マインドフルネス”

 夏が始まる頃には、こちらのオンライン講座で、心理士さん向けに慢性疾患とACT(マインドフルネス)のお話をさせていただきました。
 おそらく腎臓内科という内科分野に勤務される心理士さんというのは、まだまだ少数かと思います。ですので、この腎臓内科を含む慢性疾患を扱う現場で、どのような考え方で心理士がどう活動してきたのかをお話させていただける機会というのは貴重なものでした。

 私の働いていた臨床現場では、身体面だけでなく、経済・社会面、精神・心理面もトータルに見ていこうという視点、Total Renal Care = TRC (全人的・総合的腎疾患医療)を大きな軸としていました。
 心理士も、全体を視野に入れながら、主に精神・心理面への関わりをメインとして活動していくわけです。

 そんな中で、患者さんに関わるのに非常に役立った理論として、Acceptance and Commitment Therapy(=ACT)を挙げさせていただき、慢性疾患の患者さんにどういう形でマインドフルネスを適用してきたのかについて、症例を用いてお話をさせていただきました。

 内科臨床をやっていらっしゃる心理士さんは、まだまだ少数だとは思いますが、心理士側もそこで活動ができるよう努力していくべきでもあり、大切な分野であると感じています。現在は臨床からは離れたものの、このように自分がお役に立てる範囲で、心理士さんに対する発信も続けていけるといいなと感じた次第です。

第12回TFKI腎臓病医療連携の会
慢性疾患患者の心理面に役立つ理論と実践

 こちらは、稲城市立病院の河原崎宏雄先生にご依頼いただき、医療職の皆様向けに、慢性疾患の患者さまとの関わりに役立つ心理学的理論をお話しをさせていただきました。

 医療者の皆様にご質問をよくいただくのは患者さまの自己管理について。こちらについては、随分前のシステマティックレビューで認知行動療法(Cognitive Behavior Thrapy = CBT)が有効であるということは言われています。
 しかしながら、それをどのように使用して良いのかということは医療者の皆様悩まれる部分であるとのこと。

 認知行動療法の中でも、上述のACTが糖尿病や肥満などの慢性疾患の分野でもエビデンスがあり、臨床の中で特に機能する印象があるいうことと、実際の事例を用いながらお話しさせていただきました。

 特に、臨床現場ではACTの中の「価値の明確化」が、介入として機能することが多く、ベンチで患者さんの横に座って、もしくは透析中のベッドの横に座って、昔のお話などをしながら、自分の大切にしていたものってなんだろうということを一緒に共有していくセッションが、とても大切に思うことについてもお話。

 最後には、医療者自身も心にスペースを作っておく、すなわち心理的柔軟性を獲得していることが何より大切なのではないかということをお話しさせていただき、会の終わりにマインドフルネス瞑想の体験も行いました。こちらの会は、コロナ禍ということもあり、一部の先生方は出席、その他の先生や看護師さんなどはオンラインでの視聴という形でお聞きいただいたのですが、ご質問も多くいただき、日頃から患者さまと向き合っている医療職の皆様の、優しくかつ鋭い視点に感銘を受けた会でした。

慢性疾患の”こころ”に関わっていくこと

 患者さま側は病気を抱え、治療をしながら、自宅でも食事や服薬の管理をしなければいけないという大きなストレスに晒され、頑張っていらっしゃる。でもなかなか自己管理がうまくいかないという壁にぶつかり、心が疲弊してしまっていることというのはよくあると思います。
 反対に医療者側も、その患者さまの辛さは理解しながらもどのように関わっていいのか、非常に悩むというのは常なのではないでしょうか。そんな患者さまの心に対する関わり方を知っておくことで、お互いに楽になるだろうという思いが私の中にあります。

 私が医療者の皆様にお伝えすることというのは、すでに、先生や看護師さんが実践していらっしゃることだと思います。しかしながら、そこに心理学の概念や言葉を少しだけ付け加えさせてもらうことで、

自分のやってきたことが間違いでなかったように思えた
自分の現場感覚を後輩にどのように伝えたらいいか迷っていたが、そのヒントになった

とお話ししてくださる方がとても多くいらっしゃいます。理論というのは、こういう医療職の皆様のこころの助けになってくれることが多いのだと改めて感じます。その助けになる理論を学んできたからこそ、少しでも発信していくことで、お役に立てるといいなと思っております。

 また、内科臨床で働く心理士さんはまだまだ少数ということは、上でも何度も記しました。だからこそどのように行動すべきかということを1人で悩むことというのも多くあるかと思います。いろんな働き方があると思いますし、正解がないからこそ、いろんなパターンを知っておくということが大切な気がしています。そういう意味で、これからも私自身が行ってきたことを1つの臨床のあり方として発信、共有していければという思いでいます。

 そして、何より、この私の思いの先にいるのは患者さまたち。私自身、何千という患者さんにお会いしてきて、それでも本当の意味で理解し切れたとは言えないであろう、1人1人の患者様の大変さというのがあるように感じます。それでもより良い生き方をご自分で選択されていく姿も見てきました。その選択のきっかけを作るのは、患者さまの周りにいるご家族やご友人などもそうですが、心理士も含めた医療者もそのうちの1人だと思います。そして、そこから力強く歩いていかれる患者さまの姿からまた私たち側も学ぶことが本当にたくさんある、そんな気がします。
 そんなお互いの相互作用を作っていくために、私も微力ながらこれまでの活動をこれからも発信していくことができればと思っています。

2021年の活動予定

現在決定している活動としましては、第31回日本サイコネフロロジー学会のシンポジウム2におきまして、コメンテーターをさせていただく予定でおります。

リアルタイム配信:2021年2月13日(土)~14日(日)
オンデマンド配信:2021年2月13日(土)~28日(日)の16日間

となっておりますので、ぜひご参加くださいませ!

資料・サービスなど

ここからは、医療職・心理職のみなさま、そして患者さまに対する資料やご利用ができるLe:selfのサービスについてご紹介して参ります。

医療職・心理職のみなさま

*Le:selfのサービス

<コンサルテーション:Le:self Peer Talk>

Le:selfでは、支援職の方(心理職・医療職・教育職・福祉職)の方のための気軽な臨床についての相談のサービスを行っております。
患者さまへのこころの関わり方をどのようにすべきか悩んでいる、そんな方がいらっしゃいましたら、ぜひお気軽にお申し込みくださいませ。

詳細はこちら→Le:self Peer Talk

<講演・ワークショップなど>

・患者さまの心の理解・心理学的介入
・医療者の心ケア
などの講演・ワークショップなども承っております。
これまでの講演概要はプロフィールページにございます。

ご希望の方はお問い合わせより、お気軽にご連絡いただければと思います。

*書籍

絶対成功する腎不全・PD診療TRC―治療を通じて人生を形作る医療とは 第2版 

患者さまのタイプに合わせた関わりについて心理学の理論を用いて書かせていただいておりますので、よろしければぜひ!

Amazon購入ページはこちら

患者さま

*Le:selfのサービス

<カウンセリング:Le:self Online Counseling>

Le:self では、どの地域からでもご相談をお受けできるよう、オンラインカウンセリングを行っております。腎臓内科での臨床経験から「あなたがどうより良く生きるか」という視点で捉え、カウンセリングを行って参ります。

詳細はこちら→Le:self Online Counseling

*記事

Medical noteさんに、こころの状態別のセルフケアの仕方について書かせていただいています。よろしければご覧くださいませ。

・慢性疾患とこころについて理解しようー疾患を受け入れるこころに焦点をあててー
・慢性疾患における喪失段階のこころとその対処ー慢性疾患のせいで気持ちが落ち込むときには
・慢性疾患における拒絶・闘争段階のこころとその対処ー自分が慢性疾患であることを考えたくないときにー
・慢性疾患における折り合い段階のこころとその対処ー食事管理・制限がうまくいかないときにー

長文となりましたが、お読みいただき、ありがとうございました。

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