【臨床心理士解説】ボディスキャンのやり方とその効果とは

「マインドフルネス瞑想のひとつであるボディスキャンをやってみたいけど、合っているのか心配」というお悩みがある方、「ボディスキャンをやったらどんな効果があるのか知りたい」という方はいらっしゃいませんか?

ボディスキャンは,一度覚えれば簡単で手軽なマインドフルネス瞑想です。なぜなら,ボディスキャンのやり方と注意点を理解すれば,簡単に取り入れることができ、またさまざまな部分に効果が得られると言われているマインドフルネスの方法だからです。

この記事では,マインドフルネス瞑想のひとつであるボディスキャンのやり方、そして継続することでの効果をお伝えできればと思います。

1. ボディスキャンのやり方

ボディスキャンは,今この瞬間の身体の感覚に意識を向ける瞑想です。ボディスキャンは,深呼吸→CTスキャン→解除動作の順で行います。一つずつ説明していきます。

a.深呼吸

姿勢を整えた上で深呼吸を2〜3回することで,ボディスキャンの準備をしていきます。

ボディスキャンでは,仰向けの姿勢、もしくは座った姿勢がおすすめです。なぜなら,CTスキャンのように体を上から下へ(下から上へ)意識を移動しながら注意をむけていくからです。

どちらの姿勢でもCTスキャンされる時の姿勢のように,少し背伸びをするように体を伸ばします。

姿勢が整ったら深呼吸を2〜3回します。「吸って吐いて」と呼吸に意識を向けていきましょう。

肩が上がる感覚やお腹が膨らむ感覚など呼吸に伴う体の感覚に意識を向けられたら,ボディスキャンの準備OKです。

b.CTスキャン

次に、ボディスキャンに入っていきます。イメージは,CTスキャンのように体の感覚の意識を移動していくような形です。(上から下の場合で説明していきます)

まずは,頭から意識を向けていきます。表面だけでなく中心まで意識を向けていきましょう。コリや何かに圧迫されている感覚などCTスキャンしている最中の部位の感覚に意識を向けましょう。何も感じない場合には、何も感じないことに気づいていきましょう。

次に,首に意識を向けていきます。頭を支えている感覚など身体部位の中心まで(骨まで)意識を向けていきしょう。

身体部位の中心まで(骨まで)意識を向けるながら,徐々に下部へ意識を移動していきます。具体的には,肩→胸→腹筋→腰→脚→ふくらはぎ→足首→足の甲と意識を向けながら移動していきます。

できる方は,腕から指にかけても腕→手首→手の甲→指と意識を向けながら移動していきます。(胸に意識を向けたあたりから,腕のボディスキャンにはいるのがおすすめです)

c.解除動作

足の指先まで意識が移動したら最後に,解除動作に入ります。2〜3回深呼吸をします。落ち着いたら,目を開けて体を少し動かしましょう。

ボディスキャンの効果

ボディスキャンは,今この瞬間の感覚に意識を向けるトレーニングであることを説明しました。この章では,ボディスキャンの効果について解説します。

体の感覚の処理が正確になる

8週間行うことで,心臓の鼓動などの体の感覚の処理が正確になると言われています。
体の感覚を正確にとらえられることで,感情を客観的にとらえられるようになりますね。
客観的に見ることができるようになるということについてはこの下で説明をします。

自分を客観的に見ることができるようになる

1週間ボディスキャンをすることによって,自分を客観視できるようになると言われています。これは,ボディスキャンが,自分の今この瞬間の感覚を観察するという第3者の視点から物事を捉える訓練もできるからだと考えられます。このような自分を観察することを「マインドフルネスとしての自己」と言います。これによって,自分の感情や行動を客観的にみられるようになるため,自分の感情に左右されず,自分のやりたいことに意識を向けることができると考えられます。

well-beingの向上につながる

ボディスキャンをすることで,幸せを実感できるようになるため,well-being(幸福度)が向上するということも言われています(Sauer, Walsh, Eisenlohr, & Lykins, 2013) 。ボディスキャンは,今この瞬間の感覚に意識を向けるため,自分の感情や体の感覚に気づきやすくなるからです。

アルコールへの欲求が減少する

1週間実施するだけで、アルコール依存症患者のアルコールへの欲求がかなり減るということも言われています。衝動的に食べる,飲むということは感情と関連していることなので,感情に作用するボディスキャンだからこそ得られる効果かもしれませんね。

ボディスキャンの注意点

Q.痛み、痒みなどの不快な感覚が生じたらどうする?

A.無理はしないで中断するときは中断してください。ただし痒みなどの不快な感覚を「痛み=つらい」、「痒み=不快」と決めてしまうのではなく、そこにどんな感覚があるのか、という形で感覚に意識を向けることもマインドフルネスのトレーニングとなります。ですので、不快でもそのままにしておけるならば,その感覚に気づきながら意識をそのまま向けてみることがおすすめです。
しかしながら、あまりに不快な感覚に無理をして注意を向け続けることはやめましょう。

Q.どのくらい一つの部位に意識を向けるの?

A.意識は向けながらも常に移動しているイメージが,おすすめです。CTスキャンのように意識を向ける中心は常に移動しているけれども,意識を向けた部位の周辺には,同時に意識を向けている感覚です。

Q.雑念が浮かんだらどうすればいいのか?

A.雑念が浮かぶことはとても自然なことであり,マインドフルネスのトレーニングのチャンスです。雑念に意識がそれたことに気づいたら「雑念,雑念」と心の中で唱えた上で,「戻ります」と意識を体の感覚に戻していきます。

マインドフルネスは,「今この瞬間」に意識を向ける練習です。つまり,雑念から今この瞬間の体の感覚に意識を向けるプロセスそのものがマインドフルネスの練習になっていると言えるでしょう。

まとめ

今回の記事ではマインドネス瞑想のひとつであるボディスキャンのやり方について説明しました。さらに,ボディスキャンは,自己を客観的に見られるだけでなく、Well-beingの向上や生活習慣などの効果にもつながることを解説しました。

職場のデスク,通勤電車など座ること姿勢が取れれば場所を選ばず行えます。また、仰向けの姿勢で行うこともおすすめですので、寝る前に習慣づけるのも良いですね。

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<参考文献>

Khoury, B., Lecomte, T,. Fortin, G., Masse, M., Therien, P., Bouchard, V., Chapleau, M., Paquin, K. & Hofmann, S.G. (2013), Mindfulness-based therapy : A comprehensive meta-analysis, Clinical Psychology Review, 33(6).

Dambrun, M., Berniard, A., Didelot, T., Chaulet, M., Droit-Volet, S., Corman, M., & Martinon, L. M. (2019). Unified consciousness and the effect of body scan meditation on happiness: alteration of inner-body experience and feeling of harmony as central processes. Mindfulness, 10, 1530-1544.

Dana,F., Matthisa, M., Olga, P., (2017), Improvement of Interoceptive Processes after an 8-Week Body Scan Intervention. Frontiers in Human Neuroscience, 11, 452

Sauer-Zavala, S. E., Walsh, E. C., Eisenlohr-Moul, T. A., & Lykins, E. L. (2013). Comparing mindfulness-based intervention strategies: Differential effects of sitting meditation, body scan, and mindful yoga. Mindfulness, 4, 383-388

Shobha,Y.(2017), Effectiveness of Mindfulness Based Body Scan Meditation: A Case Study of Alcohol Dependence Patient. The International Journal of INDIAN PSYCHOLOGY, 4, 3

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