【臨床心理士解説】サウナ瞑想のやり方とその効果とは

「瞑想で心を整えたいけれど,継続が難しい」,「はじめてもSNSをチェックしてしまって,瞑想に集中できない」そんな悩みを抱えている人いませんか?

こんな悩みを抱えている方は,今流行りのサウナ瞑想をおすすめします。

実は,サウナルームはスマホなどの情報を得る媒体から自然と自分を切り離せるため,瞑想に集中しやすい環境が整っているのです。さらに,正しい方法で行えば,瞑想効果を高めることもできます。

この記事では,サウナ瞑想のやり方とその効果について解説したいと思います。

サウナ瞑想のやり方

サウナ瞑想のやり方について,5つのステップで紹介します。

やり方その1 ひな壇に座ってリラックスできる姿勢を整える

まずは,サウナルームに入り静かで他者と距離が取れる場所に座ります。座ったら,力を抜いた状態で骨盤を立てて背筋を伸ばします。風船に吊るされているイメージです。目を閉じてもいいですし,目を開けたままでもいいです。目を開けたまま瞑想する場合は,一点を見つめることをおすすめします。瞑想する姿勢が整い一呼吸おいたら,サウナ瞑想の準備OKです。

やり方その2 自然な呼吸に意識を向ける

つぎに,自然な呼吸へと意識を向けていきます。呼吸とともに,胸の広がりや鼻腔の広がりを感じるかもしれません。息を吸っていることを意識しながら息を吸っていきます。また,息を吐いていることを意識しながら息を吐いていきます。サウナルームの暖かい空気が体に入っていくのを意識していきましょう。

もし,「暑いな」「もう出たいな」と雑念が出てきても大丈夫です。その心の言葉に気づいて判断せずに,また意識を呼吸に戻していきます。

やり方その3 サウナで温まる体の感覚に意識を向ける

自然な呼吸を続けていると、体の芯から温まってきます。体が温まってくるのを感じたら、「温まった体の感覚」や「汗が流れる感覚」、サウナによる体の変化や感覚に意識を向けましょう。

最後に目を閉じていた人は目を開けて,背伸びをしたらサウナルームのサウナ瞑想は完了です。

やり方その4 水風呂に入って「冷たい感覚」に意識を向ける

サウナルームから出たら、汗を流してから水風呂に2分ほど入ります。水風呂でも簡単な瞑想をしていきましょう。水風呂では,「冷たそう」「スウスウする」といった体の感覚を感じ取りやすくなります。したがって,水風呂による体の感覚に意識を向けていきましょう。

やり方その5 外気浴で「整う」を味わう

水風呂から上がったら、外に出て外気浴を行います。外気浴が自律神経が整った状態つまり「ととのう」といった「心身ともに整った感覚」を味わうことができます。

椅子に座り一呼吸をおいたら,音や匂い、光、皮膚の感覚など、意識を広げていきましょう。

これがサウナ瞑想の一連の流れです。

サウナ瞑想の効果を高めるために

サウナ瞑想の効果は,サウナの入り方によって高められます。しかしながら,最も大切なことは,「自分自身が気持ちいいこと」です。実際に気持ちいいことを追求すると自律神経が活性化されることが示されているからです(Fredrickson, Mancuso, Branigan, & Tugade, 2000) 。行動分析においても、人間は何か行動を行った直後60秒以内の結果次第で、その行動を続けるかどうかということが決まってくるといわれています。そういった観点からも自分自身が気持ちが良いと即座に感じることができる方法は大切ですね。この章では,サウナの効果が期待できる工夫を3つ紹介します。

サウナ➡︎水風呂➡︎外気浴を3セットが行うが基本

サウナ瞑想の効果を高めるためには,効果的に自律神経を整えることが重要です。したがって,サウナ(8分)➡︎水風呂(1分)➡︎外気浴(2分)を3セット繰り返すことがおすすめです。

通常のサウナでは,以下の図のように交感神経(興奮する時に働く)と副交感神経(リラックスする時に働く)ことが示されています。つまり,サウナでは,一度交感神経を高めることによって,人間の調整機能を活用して(ホメオスタシス)副交感神経を活性化させていきます。

サウナが交感神経、副交感神経に与える影響についての図
加藤 容崇(2020)を参考に作成

また,1セットよりも続く2,3セットの方が体の温まりがより早くなるため,より長い時間サウナ瞑想による体の温まりの感覚に意識を向けることができます。

したがって,サウナ(8分)➡︎水風呂(1分)➡︎外気浴(2分)を3セット実施することがおすすめです。

各セットごとの水分補給

サウナでは,1セットで500ml~1000mlの水分が失われると言われています。つまり,脱水症状にならないように水分を補給することが重要です。しかしながら,自律神経を整えるために,サウナ➡︎水風呂➡︎外気浴を連続して行うことが重要です。したがって,サウナ開始前もしくはセット終わりにコップ1,2杯の水を飲むことをおすすめします。

テレビのない混んでない広めのサウナを選ぶ

瞑想は,体の感覚に集中できる場所だとより効果が高まります。したがって,テレビが配置されてないサウナや,意識が向きづらい混んでない広めのサウナを選ぶことおすすめです。しかしながら,このような条件を完全に整えることは難しいです。ゆえに,通いやすさとのバランスを考えながら行きつけのサウナルームを選ぶことが大切です。

サウナ瞑想の効果

ここでは,サウナ瞑想で期待されるといわれている主な効果を3つ紹介いたします。

効果その1 仕事のパフォーマンスが上がる

サウナをすると,記憶力や仕事の集中力があがります。その理由として,瞑想とサウナ両方ともに,情報を同時に処理する能力に関係するワーキングメモリーを向上することが示唆されているからです(Van & Jha, 2011; Cernych, & Brazaitis, 2018) 。つまり,サウナ瞑想を継続することによって,仕事の内容を覚えることが早くなり,タスクを終わらせる時間が早くなることが期待できます。

効果その2 ストレスや不安に強くなる

サウナ瞑想と同様に感覚に注意を向けるマインドフルネス瞑想には、不安やストレスに強くなる効果があります。サウナ瞑想によって、不安やストレス反応を引き起こす扁桃体という脳の部位が縮小することがわかっています(Pare & Duvarci, 2012)。つまり,サウナ瞑想で扁桃体が縮小することによって,「人前で発表する」「新しいことに挑戦する」といったストレスフルな経験に対して不安・ストレスが生じにくくなります。サウナ瞑想によって,自信をもって新しいことに挑戦できるようになるかもしれません。

効果その3 睡眠の質が上がる

サウナ瞑想によって,睡眠の質が向上すると言われています。その理由として,さきほど説明した通り,自律神経が整うからです。サウナ瞑想によって,体が緩められて睡眠の向上が期待できます。

※妊娠中である、比較的最近心臓発作を起こした、高血圧または低血圧である、という人や持病があり利用に不安がある人は、必ず医師に相談して実施をしましょう。

まとめ

今回の記事では,サウナ瞑想のやり方とその効果について,説明しました。サウナ瞑想は,体が温まる感覚に意識を向けていくことで自律神経を整えることができます。サウナ瞑想の流れとしては,サウナ(8分)➡︎水風呂(1分)➡︎外気浴(2分)を3セット繰り返すことがおすすめです。サウナ瞑想を続けることによって,「仕事パフォーマンスの向上」「ストレスや不安に強くなる」「睡眠の質が向上する」ことが期待できます。

今回のサウナ瞑想は,「やさしくつよくしなやかな心で自分だけの人生を生きる」ために必要な「今この瞬間を感じる」レッスンにあたると言えるかもしれません。

Le;selfでは,サウナが好きな人に対してサウナ瞑想を紹介するなど,皆様の好きなことや日常で継続しやすい瞑想を紹介することができます。

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<参考文献>

1)Fredrickson, B. L., Mancuso, R. A., Branigan, C., & Tugade, M. M. (2000). The undoing effect of positive emotions. Motivation and emotion, 24, 237-258.

2) 加藤 容崇(2020).医者が教えるサウナの教科書 ビジネスエリートはなぜ脳と体をサウナでととのえるのか? ダイヤモンド社

3) Van Vugt, M. K., & Jha, A. P. (2011). Investigating the impact of mindfulness meditation training on working memory: A mathematical modeling approach. Cognitive, Affective, & Behavioral Neuroscience, 11, 344-353.

4)Cernych, M., Satas, A., & Brazaitis, M. (2018). Post-sauna recovery enhances brain neural network relaxation and improves cognitive economy in oddball tasks. International Journal of Hyperthermia, 35, 375-382.

5)Pare, D., & Duvarci, S. (2012). Amygdala microcircuits mediating fear expression and extinction. Current opinion in neurobiology, 22, 717-723.

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