【公認心理師解説】「子育てに自信ない…」そんなママへ ーアクセプタンス&コミットメントセラピー(ACT)で心がラクになる5つのヒント

「子育てがうまくいっていないかもしれない、自信ない」
「子どもへの接し方はこれで合ってるのか。どれが正解なのかわからない」

このような思いから子育てに自信ないと思ってはいませんか。

今回の記事では公認心理師がオススメする子育てに自信ないと感じるママのためのメンタルケア術を5つご紹介します!

「子育てに自信ない…」がちょっぴり楽になる5つのヒント

1. “子育てに自信ない”は親としての優しさの証かも

あなたは今まで子育てをどこかで習ったことはありますか?

学校で子育てについて教えてもらったことがある方は誰もいないと思います。

拡大家族が主流だった頃は自分の家族に小さな兄弟姉妹がたくさんいたり、近所の人の子どもをお世話をしたりする機会がありました。でも、現在はそういった経験をすることが難しくなっています。

つまり、学校でも日々の生活の中でも子育てを学ぶ機会はないことになります。

では、「自信」というのはどういうふうに身につくものでしょうか。

「自信」というのは行動してからついてくるものだと言われています。

つまり、子育てを経験をしたことのない場合、子育てに自信ないと思うことは、とても自然なこと、ということになります。

また子育ては何をもってうまくいっているのかという評価が難しいので、成功したという実感が湧きにくい、つまり成功体験を積み重ねにくいことも考えられます。

そう考えると、「子育てに自信を持つ」という事象自体が非常に難しいことであることがお分かりいだけるかもしれません。自信を持って子育てをすることが良いことのように言われていることもありますが、自信なく、慎重に子育てしていること自体、とても誇らしく、そして、親としてちゃんと子どもに関わりたいという優しさの証でもあると言えるかもしれません。

そして、それだけ、子どものことを考えているということです。

自信があるなしに関わらず、子どもに目を向けている自分に、まずは「よくやっているね」とそっと声をかけてあげれるといいかもしれません。

2. 難しいかもしれないけれど・・睡眠時間をうまく確保してみる

子どもを寝かしつけるために寝たふりをしているうちに一緒に寝てしまい、気が付いたら朝だった‥というのは、子育てママあるあるですよね。

寝落ちしてしまった‥と思うこともあるかもしれませんが、ぜひ「寝落ちできた」と考えてみてください。

子育てには、睡眠時間が足りていることはとても重要なのです。

当たり前のことですが、睡眠不足だと私たちの脳はうまく働くことができなくなるようになっています。特に前頭葉の機能が低下するため、以下の症状がみられます。

  • イライラの増加
  • 集中力の低下
  • 注意を持続させることが困難
  • 記憶、学習能力の悪化
  • 推理、計画、ひらめきの悪化
  • 人の心を推し量る能力の悪化

こういった症状が続けば、「子どもと思うように関われない」という場面が積み重なりやすく、「子育てに自信ない」という状態を強めてしまうことにもなるかと思います。

とはいっても、「子どもが何度も夜中に起きてしまう‥」「寝たうちにできることをやっておかなければいけない」など、現実的に睡眠時間を確保することが難しい場合があるのも、とても理解できます。なので、「睡眠時間をとってね!」とは簡単に言いづらい部分もありますが…無理のない範囲で睡眠時間をうまく確保してみてくださいね。

3. 日常の中の「ママのひと呼吸タイム」を作ってみる

ママになると、1日の24時間がほとんど子どものために費やされていきます。

特に子どもが小さいうちは、命を守るプレッシャーや「ちゃんとしなきゃ」という責任感もあり、どうしても自分のことは後回しになってしまいますよね。

でも実は、あえて子どもと離れて「自分のための時間」を持つことは、子どものためにもなる大切なケアなんです。

とはいえ、「そんなの無理」「時間なんて作れない」と感じる方も多いと思います。

そこで、まずは「数分」「ちょっとだけ」からでOK。大がかりな時間確保ではなく、日常の中の「ママのひと呼吸タイム」を意識してみませんか。

たとえば:

  • 子どもが昼寝している間に、温かい飲み物をゆっくり飲む
  • 5分だけでも、好きな音楽を流してみる
  • キッチンの窓から、空を見上げて深呼吸する
  • 寝かしつけ後に、スマホでお気に入りの漫画を数ページ読む
  • 3分間だけ、体をぐーっと伸ばすストレッチをする

もし余裕が出てきたら、便利家電を取り入れたり、パートナーやご両親、ベビーシッターなどに少しだけお子さんをお願いして、少し長めの「自分時間」を作ってみるのもおすすめです。

たとえば:

  • カフェに行ってみる、ドリンクを配達してもらう
  • 映画を1本観る
  • 近所をゆっくり散歩してみる
  • ウィンドウショッピングをしてみる

「そんなことしてもいいんだっけ?」と感じたら、思い出してほしいのは、これは『あなたがあなたらしくいるための時間』であり、結果的に子どもにとっても優しい関わりに繋がる時間だということです。

「罪悪感を感じる」という声もよく聞きますが、ママが自分のケアをすることはわがままではなく、セルフケアという立派な“育児”の一部

お子さんを甘やかすように、ぜひあなた自身も「よしよし」と甘やかす時間を作ってみてくださいね。

4. 人と話したり、書くことで自分の考えや思いを整理する

気持ちがモヤモヤしているとき、自分が何に悩んでいるのか、どうしたいのかが見えなくなってしまうことがあります。

そんなときは、誰かに話してみたり、紙に書き出してみることで、頭の中が少しずつ整理されていきます。

話す相手は専門家でなくても構いません。学生時代の友人やママ友など、気軽に話せる相手がいればそれで十分です。

もし「うまく話せる自信がない」「何がつらいのか自分でもよくわからない」というときには、心の専門家に相談するのもひとつの手段です。

内容がまとまっていなくても大丈夫。プロは、その「まとまらなさ」も大切にしながら一緒に整理してくれます。

また、自分の心の中を整理する方法としておすすめなのが、「ジャーナリング(書くことによる内省)」です。

ジャーナリングは、思いつくままに気持ちや考えを書き出すシンプルな方法ですが、これを繰り返すことで、自分の本音や本当に気にしていることが見えてきたり、「実はこう思っていたんだ」と気づくきっかけにもなります。

特に、「何となくモヤモヤするけど、言葉にしづらい」というときには、紙やノート、スマホのメモなどにとにかく書き連ねてみましょう。

誰にも見せるものではないので、きれいにまとめる必要はありません。「汚くても、短くても、感情をそのまま書き出す」ことがポイントです。

もし一人での整理が難しければ、専門家とジャーナリングの内容をもとにやりとりできるカウンセリングやメッセージ相談も活用してみてください。

書くこと、話すこと、その両方が、あなたの「こころの整理」の助けになります。

5. 「理想的な親」じゃなくても大丈夫

子育てに自信ない・・・と悩んでしまう方の中には、きっと「真面目で、頑張り屋さんで、きちんとやりたい気持ちが強いママ」が多いのではないでしょうか。

でもそんな方ほど、「もっとこうしなきゃ」「これで合っているのかな」と自分に厳しくなってしまいがちですよね。

世の中には「親とはこうあるべき」という“理想の親像”がたくさん溢れています。

  • 離乳食は手作りの方が愛情がこもっている
  • 抱っこぐせがつくからすぐ抱っこしてはいけない
  • 3歳までは母親とずっと一緒にいるべき
  • 家事と育児は母親の役割、父親は稼ぐのが仕事

こんなふうに「~すべき」「~でなければならない」という声が、いろんな場所から聞こえてくると、どうしても「私はちゃんとできていないのでは」と不安や焦りが湧いてしまいますよね。

でも、そもそも子育てに「こうすれば正解」という決まった答えはないんです。

子どもによっても、親である自分によっても、家族の形は違いますし、みんなそれぞれの「正解」を探しながら進んでいる途中なのだと思います。

しかも、子どもが成長すればまた新しい悩みが出てきて、不安や心配はどんどん「アップデート」されていきます。なので、「もう心配することは何もない!」なんて日はきっと来ないんですよね。それが親であることのリアルだと思います。

でも、だからこそ必要なのが、「不安や心配をゼロにすることを目指すのではなく、うまく付き合っていくこと」です。

解消されることのない子育ての不安や心配と上手に付き合うためのACT

上にも述べましたが、子育てには「こうすれば必ずうまくいく」という正解がありません。

だからこそ、私たちは日々、迷い、悩み、不安になります。

「ちゃんと育てられているかな?」

「この関わり方で合っているのかな?」

「この子は大丈夫かな?」

こんなふうに、不安や心配が湧いてくるのは、とても自然なことです。なぜなら、脳には「危険を予測して備える」機能があるからです。

つまり、不安や心配が湧くのは、親として子どものことを大切に思っている証拠

だから、無理に「不安にならないようにしなきゃ」「もっと自信を持たなきゃ」と思わなくても大丈夫なんです。

ただし、その不安や心配に振り回されすぎると、目の前の子どもとの時間を楽しめなくなってしまったり、やりたい子育てができなくなることもあります。

そこでご紹介したいのが、ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー/トレーニング)という心理学の考え方です。

ACTは、

不安や心配は「あるもの」として受け入れる

✅ そのうえで「自分はどんな親でありたいか」「子どもとどう関わっていきたいか」を考える

その価値に沿った行動を選ぶこと

これらを大切にしています。

でも、そうは言っても「どうしたらいいの?」と思う方もいるかもしれません。

そこで、ACTの考え方をもとに、不安や心配と上手に付き合うための5つのステップをご紹介します。

1. 忙しい心を少しだけ休ませて、「今」を感じてみる

子育てに自信ないとき、頭の中は「過去の後悔」や「未来の不安」でいっぱいになりがちです。

「あのとき怒りすぎた…」「このままで本当に大丈夫かな…」

でも、そんなときこそ、いったん考えることをお休みして「今この瞬間」に意識を向けてみましょう。

たとえば:

  • 今日の子どもの表情や声に目を向けてみる
  • 自分の呼吸に意識を向ける

これがマインドフルネスの第一歩。 「今、ここ」に意識を戻すことで、心が少し穏やかになり、余裕が生まれます。

2. 「自信ない」そんな気持ちにもOKを出す

「イライラしちゃった」「全然うまくできない」「やっぱり私ダメだ」

そんな気持ちが出てきたとき、つい「こんなふうに思うなんて…」と自分を責めてしまいがちですよね。

でも、その気持ちを無理に消そうとしなくて大丈夫。

「そう感じているんだね」「それだけ頑張っている証拠だね」と、自分の気持ちをそっと認めてあげましょう。

心理学でも、感情を抑え込むほど逆に強くなると言われています。だから、まずは「そんな自分もいる」と受け止めてみてください。

3. 「私が子育てで大切にしたいこと」を思い出す

世の中には「親はこうあるべき」がたくさんありますが、あなたが本当に大切にしたい子育ての軸は何でしょうか。

  • 子どもの話をしっかり聞ける親でいたい
  • 失敗してもいいよって伝えられる存在でいたい
  • 家族でたくさん笑い合いたい

「どんな親でありたいか」=あなたの価値に立ち返ることで、子育ての不安や迷いの中でも、心の軸が見えてきます。

4. 大切にしたいことに向かって、今日できる小さな一歩を

「理想の親にならなきゃ」と思うと、逆にプレッシャーになってしまうこともあります。

だからこそ、「今日できる小さな一歩」を選んでみることが大切。

たとえば:

  • 寝る前に「大好きだよ」と伝えてみる
  • イライラしたら、3秒だけ深呼吸する
  • 一緒に絵本を1冊読む

小さな行動でも、価値に沿った行動の積み重ねが、「私はこういう親でいたいんだ」という自信に繋がっていきます。

心理学者ラス・ハリスも「自信は行動のあとからついてくる」と言っています。

つまり、まず「できることをやってみる」ことが、少しずつ自信を育てるカギなのです。

5. ひとりで頑張りすぎないことも大切

「母親だから」「私が頑張らなきゃ」と思ってしまう気持ち、とてもよくわかります。

でも、子育ては一人で完璧にこなすものではありません。

誰かに話を聞いてもらう、パートナーや家族に少し頼ってみる、カウンセリングなど専門家を活用するのも、立派なセルフケアです。

「頑張りすぎない」「誰かに頼る」ことも、子どものために大切なこと。

あなたが少し心の余裕を持てれば、子どもへの関わりもきっと変わっていきます。

まとめると、

  • 不安や心配は「なくす」のではなく、「持ちながら進む」
  • 今の自分に気づき、マインドフルに「今」を感じる
  • 「どんな親でありたいか(価値)」を思い出す
  • 今日できる小さな一歩を選ぶ
  • ひとりで頑張りすぎず、周りを頼る

こうしたACTの考え方を実践することで、「私は私なりに子育てをしているんだ」と自分を認められるようになっていきます。

まとめ

この記事では、子育てに自信ないママがちょっぴり楽になる5つのヒントとACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー/トレーニング)の視点から、「子育てに自信ない」と感じるママのためのメンタルケアのヒントをお伝えしました。

自信ない気持ちは、子育てと真剣に向き合っている気持ちの裏返しです。

その頑張りを否定せず、今への気づきや、自分にとって大切な子育ての価値を軸に、小さな行動を積み重ねていくことで、自信が生まれてくるのかもしれません。

ぜひ、肩の力を抜いて、できそうなところから取り組んでみてくださいね。

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